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(第35回)米NFLスーパーボウルのメディア価値

少し前ですが2月5日、アメリカ最大のスポーツイベントであるスーパーボウルが開催されました。スーパーボウルとは言うまでもなくアメリカンフットボール最高峰NFLの優勝決定戦のことで、アメリカでは毎年年間最高視聴率を叩き出すことで知られる国民的イベントです。当ブログでスーパーボウルの話を紹介するのは、もちろん広告に関連するテーマであるからで、試合そのものには言及しません。広告に関連するテーマとは、つまりテレビCMです。

スーパーボウルのテレビ視聴者数は毎年1億人前後とされています(今年は1億1370万人)。その圧倒的視聴者数からも明らかなように、そのメディア価値は高く、試合途中で流されるテレビCMは、30秒の媒体費で6億円前後と言われています。そのため毎年どの企業がどんなCMを流すかに注目が集まります。今年は49社の企業が出稿し、日本からは任天堂Nintendo switchの広告を出しました。

近年のトレンドとしては、試合当日にCMを流すだけでなく、SNS上で先に話題をつくるケースも増えており、制作費と合わせると合計11.4億円程度をかけるキャンペーンも出てきているようです。今年の例でいうと、Wix.comのCM「Disruptive World」が代表的で、試合の前々日からYouTubeで映像を公開。試合前の時点で2260万回再生され、スーパーボウルにおいてFacebook LiveとYouTube Liveを初めて利用したキャンペーンとなりました。

他にも、コカ・コーラ、ビール製造会社のアンハイザー・ブッシュ、建築資材会社の84Lumberなど、各社趣向を凝らしたテレビCMを流して注目を集めました。今年の特徴として、フォーブスなど米メディアは、①広告内で政治的立場を表明している企業がいくつかあった ②商品広告よりもブランド広告が多かった、という2点を指摘しています。テレビCMの傾向・内容がどうなるか、来年も間違いなく注目が注がれるはずです。


(参考)
視聴者1億人以上のスポーツイベント 米・スーパーボウルでの広告を振り返る
https://www.advertimes.com/20170216/article244349/