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(第42回)欧米大企業で広がるグーグルへの広告撤退

2017年3月22日現在、米グーグルのGoogle ディスプレイネットワーク(GDN)や、YouTubeへの広告掲載を停止する動きが世界中の大口広告主の間で広がっています。とくに米企業の撤退が相次いでおり、グーグルは数億ドル規模の損失を被る恐れがあるとしています。

問題の発端は、3月中旬の英紙タイムズによる報道でした。YouTubeで、テロや反ユダヤ主義をあおる不快な動画と共に一部の広告が掲載されたという内容です。この報道を受けて英政府と英紙ガーディアンがYouTubeから広告を撤退。さらに広告・マーケティングで世界6位の仏ハバスが、GDNとYouTUbeから同社の英顧客の広告撤退を発表。

この翌週には、米企業に同様の動きが広がり、米携帯電話サービス大手のAT&Tベライゾン・コミュニケーションズ、ヘルスケア製品で世界最大手のJ&JがGDNやYouTubeへの広告掲載を一時中止。その後も、英セインズベリーやBBC放送、トヨタ自動車、独フォルクスワーゲン、英グラクソスミスクラインも広告撤退を表明するなど、状況はますます悪化しています。

グーグル側はこの問題に対応し新たな措置・方針を打ち出しましたが、たとえばAT&Tは「グーグルが再発防止を確かにするまで、同社の検索外プラットフォーム上に掲載された広告を引き揚げる」と表明するなど、多くの広告主はさらなる詳細やその成果を見極めるまで広告掲載を再開しない意向を示しています。グーグル全体の広告収入に占めるGDNやYouTubeの事業収入は少なくないと見られており、今後の動向に注目したいと思います。


(参考)
米グーグルの広告めぐる危機拡大、AT&Tなど大口広告主が支出停止
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-23/ON94WM6JIJV301