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(第33回)KDDIとアクセンチュア、データアナリティクス活用推進に向けた新会社設立

KDDIアクセンチュアは3月14日、合弁会社「ARISE analytics(アライズ アナリティクス)」の設立を発表しました。主な事業内容は、顧客体験向上を目指したデータ分析です。新会社を通してKDDIは、アクセンチュアが持つデータ分析の実績とノウハウが得られ、以前よりも高度なデータ分析が可能となり、自社店舗、ウェブサイト、モバイルアプリケーション、チャットボットなどの顧客接点において、よりいっそう顧客別に最適な情報提供が可能になります。

一方アクセンチュアは、4000万人以上を誇るKDDIの顧客基盤データを活用することで、同社の強みである国内外で培ってきたアナリティクス領域の高度な知見や経験、ノウハウをさらに深め、蓄積していくことが可能になります。なお、ARISE analyticsの資本構成は、KDDIが85%、アクセンチュアが15%です。今後は通信やEコマース、IoTなどの領域でAIを含む先進的なアナリティクス技術提供により、KDDIグループのデータ利活用の中核的な役割を担うことが期待されています。

ちなみにここ数年、アクセンチュアに代表されるコンサルティング会社の、広告・マーケティングサービス市場への参入が目立っています。たとえば、アクセンチュアは2013年に英デザインエージェンシーFjordとデジタルエージェンシーAcquity Groupを買収、PwCは2013年にデジタルエージェンシーBGTを買収、デトロイトは2016年にフルサービスエージェンシーBGTを買収、といった具合です。

このような状況からコンサル会社は広告会社の敵となるのか?といった脅威論がある一方、コンサル会社には広告会社のようなマーケティング・コミュニケーションに特化した知見、またクリエイティビティは持ち合わせていないので、競合というより協業するケースが多いのではないか、など意見がわかれています。このあたりの動向も引き続き追っていきたいと思います。


(参考)
AIを含む先進的なアナリティクス活用によりKDDIグループのデータ利活用の中核となる「ARISE analytics」設立
http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2017/03/14/2354.html
相次ぐコンサルティング会社による広告会社買収、米国の動向まとめ
https://www.advertimes.com/20160401/article221286/