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(第21回)吉本、所属タレントを活用した新事業開始

吉本グループが所属タレント約6000人を活用したインフルエンサーマーケティング事業を開始。企業の商品・サービスの特性に合わせて、所属タレントがSNS上で情報発信を行ない、さらなる効果や波及をサポートするといったものです。吉本グループは、Instagramで600万人超えの日本最多フォロワー数を誇る渡辺直美を筆頭に、所属タレント(芸人、アイドル、スポーツ選手、文化人など)のSNS上のフォロワー総数がTwitterで4000万人以上、Instagramで1600万人以上など国内最大規模となっています。事業開始のタイミングでは、まずInstagramを中心としたマーケティングを行う予定とのことです。

吉本側としては所属タレントの情報発信力をビジネス化でき、広告主側としても一般消費者により大きな影響力を見込める同サービスに寄せる期待は大きく、双方にとってメリットがあります。一方で運用の際に注意すべき点もあります。それはステルスマーケティング、通称ステマです。

インフルエンサーマーケティングは「広告の体裁をとらない広告」でより自然に商品やサービスを訴求できる点が魅力ですが、運用面で一歩間違えると消費者との間で法的トラブルも起こしかねません。もし消費者を騙したかのような印象を与えると、商品やサービス自体にネガティブイメージが持たれたり、またタレント自身もそれに加担したとして、好感度も大きく損なわれてしまうことも大いにありえます。そのため吉本と広告主双方としては、JIAAが定めるガイドラインから逸脱するものにならないよう、より慎重な運用が求められそうです。

(参考)
吉本グループ、所属芸人を活用したインフルエンサーマーケティング事業を開始
http://www.nikkei.com/article/DGXLRSP437820_X20C17A2000000/
ネイティブ広告に関するガイドラインを策定(JIAA)
http://www.jiaa.org/release/release_nativead_150318.html