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(第19回)MAについて

デジタルマーケティングの実行作業を自動化すること、または自動化してくれる機能がオールインワンでパッケージされたツールをMA(Marketing Automation)といいます。クラウド型で提供されることが多いため、マーケティングクラウドと呼ばれることもあります。2000年代に米国で普及し始めたMAは、日本では2010年頃から徐々に市場に広まりました。

企業はMAを導入することで、既存・新規・見込み顧客に対して、より効率的な広告投資が可能になります。ECサイトを例にとってみましょう。たとえば、ある人が商品をカートに入れたものの何らかの事情により購入を見送りました。そのような人に対して、翌日リマインドメールを送る。メールを開いても購入しなかった人には後日リターゲティング広告を表示する。それでもその広告をクリックしなかった場合には・・という一連のオペレーションを、シナリオ設計することで自動化することができます。

MA普及の背景には、顧客が商品を購入するまでのプロセス(カスタマージャーニー)の多様化があります。さらにそのカスタマージャーニーの背後には、スマートフォンが大きく影響しているのは言うまでもありません。そのような中、企業にとって見込み客を最適なタイミングで抽出し、次のアクションを実施する仕組みをマンパワーで行なうには限界があります。MAは、そのようなデジタルマーケティングのプロセスにおいて、実施工程だけを担い、人的オペレーションの工数削減に寄与しています。そしてマーケターはシナリオ設定といった、人しかできない業務でより付加価値を出していくことが可能になります。