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(第12回)DMPについて

第一回目のエントリでアドテクノロジーについて少し触れました。そこでも書いたように、ネット広告の特徴は特定ユーザにピンポイントで広告を配信することにあり、それを可能にする技術がアドテクです。アドテクに関する用語はさまざまありますが、今回はDMP(Data Management Platform)を取り上げます。

DMPとは、インターネット上に蓄積されている様々な顧客データを一元管理するプラットフォームです。DMPを活用することで、特定ユーザに対する広告配信やマーケティング施策の最適化がより可能になりました。そんなDMPには以下の二種類があります。順番に見ていきましょう。

①オープンDMP
②プライベートDMP

オープンDMPは外部メディアが持つオーディエンスデータ(顧客データ)を取り扱うプラットフォームです。外部メディアが持つオーディエンスデータとは、たとえばメディアへのアクセス履歴、デモグラフィック属性、自社サイト外の行動ログといった情報を指します。オープンDMPは主に広告配信を最適化する基盤として活用されています。

逆に、プライベートDMPは自社が持つオーディエンスデータを取り扱うプラットフォームを意味します。ここでのオーディエンスデータは、広告主である事業会社が自社で保有している情報です。顧客の自社サイトアクセスデータ、購買履歴、広告出稿データなどを指します。プライベートDMPでは、主に企業内において、部署や商品ブランドを横断して顧客行動や嗜好を可視化させるといった活用がなされています。たとえばプライベートDMPの活用により、ブランドAのサイトを訪れた人はブランドBのサイトも訪れる傾向があるとわかったとします。すると企業側は「Aのサイトは訪れたが、Bのサイトには行かなかった人」に対してBへ誘導する施策をうつことが可能になります。

このようにDMPは広告配信の最適化にとどまらず、マーケティング全般にも活用できます。ちなみに広告主にとっては、オープンDMPとプライベートDMPを連携させて、よりターゲティング精度の高い広告配信とマーケティングを目的にDMPを活用するのが一般的です。