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(第11回)ネット広告の料金体系

インターネット広告の取引形態にいくつかのパターンがあります。一般的に課金方法によって大きく4つに分類されます。基本的な内容ではありますが、本エントリで改めて簡単にまとめてみます。おもに広告主側の視点をまじえながら整理できればと思います。

課金方法の分類は以下のとおりです。
①期間保証型
②インプレッション保証型(表示回数)
③クリック課金・保証型
④成果報酬型(資料請求や購買等)

①は広告の出稿期間に応じて料金が決定します。たとえば「1週間の広告掲載で20万円」といった形です。ユーザが多く訪れるポータルサイトのトップページによく見られる形態です。ちなみに、ひとつの広告枠を一社独占で買い切る方式と、複数の広告主で購入して広告をローテンションで表示していく方式がとられます。最も原始的な課金方法ではありますが、広告主からすると、出稿期間中の想定インプレッション開示はあるものの保証されるのはあくまで出稿期間であるため、インプレション数の変動リスクを考慮に入れる必要があります。

②は広告の表示回数に応じて料金が決定します。たとえば「配信期間1週間を想定し20万円で1,000,000impを保証」といった形です。コンテンツページの中面の広告によく見られる形態です。ただし指定期間内にインプレッションが下振れた際は、メディア毎の免責事項によりますが、期間を延長して補填する形が多いようです。

③は広告がクリックされる回数に応じて料金が決定します。たとえばクリック課金型だと「クリック単価20円、5,000クリックの設定で料金は10万円(=20×5,000)」クリック保証型だと「最初に料金10万円と決定。5,000クリックされるまで広告を出稿」とった形です。いずれもリスティング広告によく見られる形態です。クリック数と自社サイトに誘導されたユーザ数が一致するので、広告主からすると効率的な料金体系といえます。

④は実際に発生した成果に応じて料金が決定します。具体的には資料請求、会員登録、商品購入、アプリインストールとった成果を指します。たとえば「商品購入1件あたり5,000円の成果報酬。これが10件発生すると5万円(=5,000×10)の課金」といった形です。アフィリエイト広告によく見られる形態で、費用対効果を重視する広告主からすると非常にリスクの少ない料金体系といえます。

ちなみに①から④の順に、具体的な効果をもとに広告料金が決定されるため、広告主からするとクリック数やコンバージョン数を単位にした③と④が一般的に好まれます。逆に媒体社からすると、①から④の順に広告主に課金できないリスクが高くなるため、出稿期間やインプレッション数を単位とした①と②の広告メニューが好まれる傾向にあります。