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(第7回)インターネット広告と景品表示法

広告に関わる法律規制に「不当景品類及び不当表示防止法(以下、景品表示法)」と呼ばれる法律があります。商品やサービスの適正な選択を阻害するような不当表示・誇大広告から、一般消費者の利益を守るために制定されました。

景品表示法では具体的に以下のようなタイプを不当表示として禁止しています。
①優良誤認表示(景表法4条1項1号)
②有利誤認表示(景表法4条1項2号)
③その他誤認されるおそれのある表示(景表法4条1項3号)
※詳細は下記サイトに詳しいです。

https://goo.gl/5GavnS

以上が景品表示法の概要ですが、ここから本題のインターネット広告と景品表示法の関係について簡単に触れます。ポイントとなるのは、平成23年10月28日(平成24年5月9日一部改訂)に消費者庁が公表した「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」と呼ばれるものです。

同資料では景品表示法上の観点から、とくに留意すべき以下5つのインターネットサービス(またはビジネスモデル)を取りまとめて事業者に注意・徹底を呼びかけています。ただし同資料で取り上げている内容は、あくまで消費者庁が検討事項として想定した例なので、景品表示法上に違反するか否かは個々の事案ごとに判断を求めるとしています。
フリーミアム
②クチコミサイト
共同購入サイトなどのフラッシュマーケティング
アフィリエイトプログラム
ドロップシッピング

①〜⑤の景品表示法にからむ問題点としてはそれぞれ、①有料である付加的なサービスを無料利用できるなどと記載するケース ②自らまたは第三者に依頼してクチコミ情報を記載し、実際の商品・サービスより著しく優良または有利であると一般消費者に誤認させるケース ③不当な二重価格表示や優良誤認表示をするケース ④バナー広告において優良誤認表示・有利誤認表示などの不当表示がされるケース ⑤商品の内容や取引条件において優良誤認または有利誤認表示をするケース などが挙げられます。

ちなみに、①〜⑤に関わる事業者のうち、どの範囲の事業者が、景品表示法上の規制を受けることになるかも気になるポイントかと思います。原則としては、自己の供給する商品又は役務についての表示を行った事業者が該当するようです。つまり、商品のメーカー、卸、小売店など、自らの商品又はサービスを供給する者は規制対象。逆にいうと、広告代理店やメディア媒体などの広告媒体事業者等は、他社からの委託を受けて広告表示の制作に関与することがありますが、それはあくまで他社の供給する商品又はサービスについての表示に関与しているだけなので、原則としては規制対象外となります。

ただし、広告媒体事業者であっても、商品又はサービスを一般消費者に提供している他の事業者と共同して商品又はサービスを提供していると認められる場合には、景品表示法の適用を受けるケースもあるようです。いずれにしても上記をふまえると、原則は規制対象外となる広告代理店やメディア媒体も、景品表示法について一定以上の基本的な内容は覚えておくべきかもしれません。