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(第1回)ネット広告とアドテク

ネット広告の特徴は特定ユーザーにピンポイントで広告を配信することにあります。それを可能にする技術がアドテク、つまりアド(広告)テクノロジー(技術)です。

アドテクといっても、その種類や要素技術、関連するプレイヤーが複雑に入り組んでいて、ひとつの小宇宙のような世界が形成されています。その様子は、米国LUMApatners作成の「Display LUMAscape」を下敷きにxAd Japanの近藤洋司氏が作成した有名なカオスマップ「Display Advertising Technology Landscape」に見ることができます。
(引用元)http://www.slideshare.net/HiroshiKondo/jp-chaosmap-20152016

本格的なアドテク時代の到来は、2008年頃のアドネットワーク(Ad Network)からと認識されることが多いようです。アドネットワークとは、広告媒体のWebサイトを多数集めたネットワークを指します。ネットワーク内の多数のWebサイトに広告を配信する手法そのものを指す場合もあります。

2010年頃からはアドエクスチェンジ(Ad Exchange)と呼ばれる、広告枠の取引市場が登場しました。それによりアドネットワーク内にある広告枠を1インプレッション(1表示)ごとに売買することが可能になりました。広告枠の価格は、需要サイドの広告主と供給サイドのメディアの需給バランスによって変動します。まさに市場として機能しているわけです。

それ以降もDSP(Demand Side Platform)、SSP(Supply Side Platform)、DMP(Data Management Platform)、RTB(Real Time Bidding)など、広告主とメディア双方に対して、広告効果と広告収益の最大化を支援する技術やプラットフォームが次々に登場しています。今後もテクノロジーの進化にともなってこの動きは加速すると思われます。そのようにますます複雑化・高度化するアドテクに対して、ユーザーに最適な広告を配信するという本質はおさえつつ、今後も最新動向をチェックしたいと思っています。