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ネット広告の世界

ネット広告に関係ありそうなテーマなら何でも

(第37回)首都圏最大級のサイネージネットワーク「NewDaysビジョン」

通勤・通学で交通機関の利用が多い都市圏において、接触率と視認性が高い交通広告。マーケティングプランを考える上で欠かせないメディアのひとつとなっています。とくに近年は、広告枠のデジタルサイネージ化が進み、静止画と比べより多くの情報を訴求できるようになり、活用の幅が広がっています。

今回取り上げるのは、国内で幅広い鉄道事業を展開しているJR東日本。元ネタはインタビューの形をとったPR記事ですが、興味を引かれたので紹介します。内容は駅構内のNewDays各店舗に設置されている大型デジタルサイネージが中心です。インタビューに応えているのは、JR東日本管内のコンビニ「NewDays」などの運営を行なうJR東日本の子会社、JR東日本リテールネットマーケティング担当 石井紀哉氏です。

首都圏の駅構内で数多くの広告が溢れている中、JR東日本リテールネットは最近とくにNewDays各店舗に設置されている大型サイネージ「NewDaysビジョン」の提供に注力しているそうです。駅利用者の導線上にインパクトのある訴求ができ、本格的な広告販売を開始した昨年10月以降、さまざまな業種で利用が進んでいるようです。

具体的には、2017年1月1月時点で、NewDaysビジョンは首都圏39駅に81台が設置されています。媒体前の通行人員は1日平均で約600万人以上を誇るといいます。また屋外広告は縦型が多い中、NewDaysビジョンは横型の70インチの大型ビジョンを標準採用。そのためテレビCMなど既存コンテンツを比率を変更することなく転用可能で、それが大きな特徴のひとつとなっています。JR東日本リテールネットは、今後の目標として、2017年度中に100駅200台の設置を計画。さらにクライアントの要望も柔軟に受け入れながら、本事業のさらなる拡大を図っていきたいとしています。


(参考)
首都圏最大級のサイネージネットワークで生活者の動線を捉える「NewDaysビジョン」
https://www.advertimes.com/20170315/article246304/

(第36回)国内初、屋外広告に「SCREEMO」を活用

株式会社パス・コミュニケーションズと大日本印刷株式会社は、2月25日〜26日にスマートフォンデジタルサイネージ リアルタイム連動メディア「SCREEMO(スクリーモ)」を活用して、スポーツ動画配信サービスDAZN(提供元Perform Investment Japan株式会社)のJリーグ開幕プロモーションを支援しました。なお今回、SCREEMOは常設屋外ビジョンで活用されており、このような事例は国内初とのことです。

ちなみにSCREEMOとは、生活者のスマートデバイスデジタルサイネージインタラクティブに結び、販促に直結させる参加型メディアシステムのことで、スマートフォンなどスマートデバイスの画面上でなされる操作が、屋外ビジョンとそのままリアルタイムに連動し、ゲームや投票への参加が可能になります。また、結果に応じて参加者にクーポンもプレゼントできるそうです。

今回のイベントでは、原宿に設置されている屋外ビジョン「原宿表参道ビジョン」にSCREEMOを活用。イベントブースに設置されたタブレットで、屋外ビジョン内のゴールめがけてシュートを打つと、屋外ビジョン上では結果に応じたCMを放映。タブレットではゲーム結果を表示し、ゴールを決めた参加者にはノベルティが配布されるといった内容でした。
※詳細は以下に詳しいです。
インタラクティブ広告展開SCREEMOを使用した実績事例「DAZN GOAL CHALLENGE」
http://www.pas-com.co.jp/img/news/news_170225.pdf

パスコミュニケーションズと大日本印刷は、今後も連携し、屋外ビジョン「原宿表参道ビジョン」や「渋谷:109フォーラムビジョン」を中心とした主要都市の大型ビジョンに対象エリアを拡大し、ゲーム機能を利用したインタラクティブ展開や、クーポン機能を利用した来店促進につながる広告展開を仕掛けていきたいとしています。


(参考)
「SCREEMO」を屋外広告にて国内初採用
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000024385.html
スマートフォンデジタルサイネージ リアルタイム連動メディア SCREEMO(スクリーモ
http://www.dnp.co.jp/infosol/solution/detail/10125505_18793.html

(第35回)米NFLスーパーボウルのメディア価値

少し前ですが2月5日、アメリカ最大のスポーツイベントであるスーパーボウルが開催されました。スーパーボウルとは言うまでもなくアメリカンフットボール最高峰NFLの優勝決定戦のことで、アメリカでは毎年年間最高視聴率を叩き出すことで知られる国民的イベントです。当ブログでスーパーボウルの話を紹介するのは、もちろん広告に関連するテーマであるからで、試合そのものには言及しません。広告に関連するテーマとは、つまりテレビCMです。

スーパーボウルのテレビ視聴者数は毎年1億人前後とされています(今年は1億1370万人)。その圧倒的視聴者数からも明らかなように、そのメディア価値は高く、試合途中で流されるテレビCMは、30秒の媒体費で6億円前後と言われています。そのため毎年どの企業がどんなCMを流すかに注目が集まります。今年は49社の企業が出稿し、日本からは任天堂Nintendo switchの広告を出しました。

近年のトレンドとしては、試合当日にCMを流すだけでなく、SNS上で先に話題をつくるケースも増えており、制作費と合わせると合計11.4億円程度をかけるキャンペーンも出てきているようです。今年の例でいうと、Wix.comのCM「Disruptive World」が代表的で、試合の前々日からYouTubeで映像を公開。試合前の時点で2260万回再生され、スーパーボウルにおいてFacebook LiveとYouTube Liveを初めて利用したキャンペーンとなりました。

他にも、コカ・コーラ、ビール製造会社のアンハイザー・ブッシュ、建築資材会社の84Lumberなど、各社趣向を凝らしたテレビCMを流して注目を集めました。今年の特徴として、フォーブスなど米メディアは、①広告内で政治的立場を表明している企業がいくつかあった ②商品広告よりもブランド広告が多かった、という2点を指摘しています。テレビCMの傾向・内容がどうなるか、来年も間違いなく注目が注がれるはずです。


(参考)
視聴者1億人以上のスポーツイベント 米・スーパーボウルでの広告を振り返る
https://www.advertimes.com/20170216/article244349/

(第34回)産経新聞社のデジタル戦略

前回、読売新聞社のデジタル事業に関する記事を紹介しました。読売と並んで5大紙のひとつである産経新聞についても同様の記事があったので今回紹介します。産経デジタル代表取締役社長CEOの鳥居 洋介氏におこなったインタビュー記事です。同社のデジタル戦略に関する話題がメインテーマとなっています。

産経デジタルは、2007年にMSNと提携し「MSN産経ニュース」を開始したのを皮切りに、iPhoneの日本発売が始まった2008年には、紙面ビューワー型アプリ「産経新聞アプリ」をリリースするなど、5大紙の中でも率先してデジタル化へと舵をきっていきました。そこから10年たった現在、鳥居氏は、「紙のビジネスをデジタル化」は完全に終わり、今後は「デジタルで生まれたものを、どうデジタルで進化させてくか」という発想が非常に重要だと語っています。

たとえば、2016年9月に本格ローンチした米ゲーム・エンタメサイトの日本版「IGN Japan」がその代表例です。同年12月には、映画『バイオハザード ザ・ファイナル』に関する1時間のライブストリーミング番組を作成し、公開したアーカイブを米国や英国など世界各地でサイト上に配信しました。それをきっかけにリアルイベントや広告が生まれマネタイズにつながり、予想以上の成果をあげています。

上記の新しい試みも含めて、同社はデジタル事業の収益源の多様化を進めています。基本は無料の広告モデルを収益の柱に据え、それと並行してコンテンツの有料課金モデル、定期購買モデルの電子版や、イベントやセミナー、ECといった周辺ビジネスを伸ばしていきたいとしています。

さらに今後は「メディアとしていろんなところで読者に記事を読んでもらい、お得意さんになったもらう」ために、スマートニュースやFacebookインスタント記事、Yahoo!にも戦略的に記事を出していき、同社の独自資源が何かを見極めつつ、産経デジタルなりの戦い方を突き詰めていきたいとしています。


(参考)
「紙のビジネスをデジタル化する時代は終わった」
http://digiday.jp/publishers/sankei-digital-yosuke-tori/
IGN Japan
http://jp.ign.com/

(第33回)KDDIとアクセンチュア、データアナリティクス活用推進に向けた新会社設立

KDDIアクセンチュアは3月14日、合弁会社「ARISE analytics(アライズ アナリティクス)」の設立を発表しました。主な事業内容は、顧客体験向上を目指したデータ分析です。新会社を通してKDDIは、アクセンチュアが持つデータ分析の実績とノウハウが得られ、以前よりも高度なデータ分析が可能となり、自社店舗、ウェブサイト、モバイルアプリケーション、チャットボットなどの顧客接点において、よりいっそう顧客別に最適な情報提供が可能になります。

一方アクセンチュアは、4000万人以上を誇るKDDIの顧客基盤データを活用することで、同社の強みである国内外で培ってきたアナリティクス領域の高度な知見や経験、ノウハウをさらに深め、蓄積していくことが可能になります。なお、ARISE analyticsの資本構成は、KDDIが85%、アクセンチュアが15%です。今後は通信やEコマース、IoTなどの領域でAIを含む先進的なアナリティクス技術提供により、KDDIグループのデータ利活用の中核的な役割を担うことが期待されています。

ちなみにここ数年、アクセンチュアに代表されるコンサルティング会社の、広告・マーケティングサービス市場への参入が目立っています。たとえば、アクセンチュアは2013年に英デザインエージェンシーFjordとデジタルエージェンシーAcquity Groupを買収、PwCは2013年にデジタルエージェンシーBGTを買収、デトロイトは2016年にフルサービスエージェンシーBGTを買収、といった具合です。

このような状況からコンサル会社は広告会社の敵となるのか?といった脅威論がある一方、コンサル会社には広告会社のようなマーケティング・コミュニケーションに特化した知見、またクリエイティビティは持ち合わせていないので、競合というより協業するケースが多いのではないか、など意見がわかれています。このあたりの動向も引き続き追っていきたいと思います。


(参考)
AIを含む先進的なアナリティクス活用によりKDDIグループのデータ利活用の中核となる「ARISE analytics」設立
http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2017/03/14/2354.html
相次ぐコンサルティング会社による広告会社買収、米国の動向まとめ
https://www.advertimes.com/20160401/article221286/

(第32回)電通、広告価値毀損への取組としてIAS社から日本企業初の認定

電通は、広告価値毀損測定の世界最大手であるインテグラル・アド・サイエンス社(以下IAS)から、日本初の「サーティファイド・ビューアビリティ・パートナー」(※1)の認定を受けたとのリリースを出しました。

要するに、電通が独自開発した広告枠の自動取引システム「電通PMP」を活用した取組が、プログラマティック取引において、広告価値毀損のリスク最小化に寄与していると評価された結果、今回の認定に至ったようです。

ところで、広告価値毀損はどういうことを指すのでしょうか?

具体的には、「広告がしっかり見られているか」(ビューアビリティ)、「広告が人ではなく機械によって閲覧やクリックがなされていないか」(アドフラウド)「不適切なサイトに広告表示されていないか」(ブランドセーフティ)、これらが広告価値毀損を引き起こすとされています。そこには、プログラマティク広告が拡大・自動化の流れが加速する昨今、それと比例する形で広告取引の確認が難しくなってきたという背景があります。電通は今回の認定に引き続き、今後も広告毀損のリスクを最小化する取組を強化していくとしています。

※1 サーティファイド・ビューアビリティ・パートナー:
加盟する媒体社、代理店、テクノロジーベンダーは、IAS社が提供する業界で唯一の「ディスクレパンシー・フリー」データやソリューションを駆使した広告取引・運用が可能。同時に、グローバル全体で1,600社を超えるIAS利用広告主やデジタル業界全体に対し、デジタルキャンペーンの透明性と健全化へのコミットが課されている。


(参考)
電通、ウェブ広告の価値毀損測定で世界最大手のインテグラル・アド・サイエンス社から日本初のパートナーに認定
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2017/0314-009192.html

(第31回)動画広告というトレンドにマーケターはどう対峙すべきか

動画広告というトレンドにマーケターはどう対峙するべきか?

WPPグループ最大のデジタルエージェンシーVML日本法人代表兼FICC代表取締役の荻野英希氏が、その指針を寄稿コラムで具体的に説いていました。

まず同氏は動画広告の現状として、Facebookは成長戦略の柱に動画広告を打ち出している、米国ではすでに7割以上のマーケターがテレビ広告の予算を動画広告にシフトしている(IAB調査)、動画広告の販売効果は平均的にテレビCMよりも高く、ターゲティングの活用により、その効果はされに倍以上に高まるという調査結果も出ている、という3点を挙げています。

さらにユーザのメディア利用において、モバイル端末の割合が高まっている昨今、とくにFacebookSmartNewsなど、多くの利用者数だけでなく、動画視聴に十分な利用時間を誇るアプリの存在は、広告主やメディアにとってますます重要さを増し、もはや動画広告の習得はマーケターにとって避けて通れない道であると指摘しています。

とはいえ「動画広告の可能性を認識していながらも、あらゆる先入観から実験的な試みに踏み切れないマーケターも多いと思われる」として、実用的なアドバイスも添えています。
①動画制作のコストを抑える
②ターゲティングを活用する
③コンシューマーセントリックに考える
※①〜③の詳細は以下ページに詳しいです
http://digiday.jp/agencies/video-ad-as-the-megatrend/

そして同氏は最後に、動画広告は今後必ずマーケティング戦略の中核的存在になると語っています。そのためマーケターは早期に施策を重ね、ノウハウやワークフローを習得し、動画広告に関する知見を積んでいくべきたと強調しています。